定番メシ プロダクト思想

1. このアプリのプロダクト思想

定番メシは「記録するためのアプリ」ではなく、「注文前に思い出すためのアプリ」である。

ユーザーがアプリを開く瞬間は、店に入る直前、レジ前、券売機前、注文直前が中心になる。その瞬間に必要なのは、過去の食事ログを眺めることではなく、「この店で自分は何を頼むのが正解だったか」を即座に確認できること。

そのため、定番メシの最大価値は記録量ではなく即参照性にある。

2. 定番メシは何のためのアプリか

定番メシは、以下のためのアプリである。

  • 自分だけの定番注文データベースを作る
  • 店ごとのいつもの注文を保存する
  • 注文前の意思決定を減らす
  • 次に試したいメニューを忘れない
  • 試した組み合わせを定番候補として整理する
  • 食後に新しい組み合わせを短時間で残す

中心にある体験:

注文前
アプリを開く
店名で検索する
定番注文を確認する
迷わず注文する
食後
新しい組み合わせを試す
10秒で記録する
次回から迷わない

3. このアプリが何ではないか

定番メシは、以下ではない。

  • 飲食店レビューアプリ
  • グルメSNS
  • 店舗検索アプリ
  • 食事記録、カロリー管理アプリ
  • モバイルオーダーアプリ
  • 飲食店向け業務注文管理アプリ
  • 地図アプリ
  • 写真アルバムアプリ

「どこで何を食べたか」を日記として残すことは主目的ではない。主役は店舗でも写真でも感想文でもなく、自分が次に注文するための注文セットである。

4. 最重要の利用シーン

最重要の利用シーンは、注文直前である。

  • 店に入る直前
  • レジ前
  • 券売機前
  • 席でメニューを見ている時
  • 注文を聞かれる直前
  • 食後に新しい組み合わせを素早く残す時

この場面では、ユーザーは落ち着いて長いフォームを埋めたり、大きな写真カードを眺めたりしない。片手で開き、店名を入れ、すぐに「定番」を読めることが重要である。

5. UI/UXで絶対に守るべきこと

5.1 即時性

  • 起動直後にすぐホームを表示する
  • ログインやオンボーディングで止めない
  • 検索バーを入口の中心に置く
  • ホームは検索と最近見た店を中心にした軽い入口にする
  • 検索未入力時に注文セットを大量に並べない
  • 登録済み店の全件表示は下タブの一覧に分離し、ホームの軽さを保つ
  • 一覧では五十音順や追加順で店をざっと探せるようにする
  • 店詳細では「定番」を最上部に置く
  • 店詳細では必ず「定番 -> 次試す -> 試した」の順で表示する
  • 検索は軽く、入力中に即時反映する
  • 店詳細では、注文セットを左スワイプして状態を素早く変更できるようにする

5.2 高密度表示

  • 注文セットはコンパクトに表示する
  • 注文内容は必要に応じて / 区切りで1行要約する
  • スクロールを増やしすぎない
  • 1画面で複数の注文候補を見られるようにする
  • 店詳細は注文直前に読む画面なので、写真や装飾より注文内容の可読性を優先する

5.3 入力負荷の低さ

  • 店名と注文内容だけで保存できる
  • 注文内容は複数行でポンポン入力できる
  • 最後に空行が自動追加されるUIにする
  • 各行は完全自由入力とし、メイン、サイド、トッピングのような分類を強制しない
  • メモと写真は任意
  • 価格、タグ、カテゴリなどの必須項目を増やさない
  • 注文セット編集では店名を不用意に変更させず、店名変更は店詳細の専用導線で行う
  • 店名変更は、その店に紐づく注文メモが消えたり別の店へ移動したように見えないことを優先する
  • 新規登録時は似た店名の候補を出し、既存店に紐づけやすくする
  • 似た店名がある時は、重複店を作る前に確認を挟む
  • 店削除はあまり使わない管理操作として扱い、一覧から確認付きで行う

5.4 ローカルファースト

  • ログインなしで使える
  • 通信不要で使える
  • オフラインでも登録、検索、編集できる
  • MVPではクラウド同期を入れない

5.5 写真を主役にしない

  • 写真は任意
  • 表示する場合も小サムネイルに留める
  • 写真SNS風の大きなカードUIにしない
  • 注文内容のテキストを主役にする

6. 前回の失敗を避けるための注意点

前回の失敗は、定番メシが「ただの食事記録アプリ」に寄ってしまったことにある。

避けるべき方向:

  • 食べた日時を中心に並べる
  • 写真を大きく並べる
  • 感想や評価を主役にする
  • 星評価、価格、タグなどの入力欄を増やす
  • 店舗レビューや店探しに寄せる
  • タイムラインやアルバムのように見せる
  • 店舗情報、住所、営業時間を入力させる

守るべき判断軸:

  • このUIは注文直前に役立つか
  • この入力項目は10秒登録を邪魔しないか
  • この表示は「いつもの注文」をすぐ読めるか
  • 写真やカードが注文内容より目立っていないか
  • 店舗レビューアプリに見えていないか

迷ったら、定番メシは「食事記録」ではなく「定番注文の即参照」である、という原則に戻る。

7. UIトーン

全体の印象:

  • シンプル
  • 清潔感
  • 親しみやすい
  • 軽い
  • 高速に使える
  • 食事系らしい温かみ

避ける印象:

  • 写真SNS風
  • 大きすぎるカード
  • 余白過多
  • 店舗レビューアプリ風
  • 業務用注文管理アプリ風
  • 入力項目だらけのフォーム

色の候補:

  • クリーム
  • ベージュ
  • 淡いオレンジ
  • やさしいミント
  • 食事系だが濃すぎない色

ただし、色や装飾よりも、注文直前に迷わず読める情報設計を優先する。